新時代の学校教育
-学習意欲を高める個別最適化、協動的な学び-

【趣 旨】

これまで我が国の学校教育は学習機会と学力の保障、全人教育の面において諸外国からも高い評価を得てきました。しかし、少子化が進み、社会が劇的に変化する「Society.5.0」、「アフターコロナ」と言われる昨今の時代にあって、一斉授業の限界、教師不足、地域や家庭の教育格差等を始め、多くの問題も表面化しています。学校においてもICT活用、探究学習、大学入試等、様々な改革に着手していますが、テクノロジーを始めとする社会の急激な変化に対して、学校教育は追いつけないといった印象です。特に、学習意欲の質の向上や加速度的に進展する情報化への遅れは、我が国の経済成長を阻害する要因とも指摘されています。一昨年のコロナ禍での学校休校中には約半数の高校でオンライン授業が行われ、その利便性が明らかになったことから、急遽GIGAスクール構想が前倒しされ、AIを利用した自学自習の効果も期待されているところです。 

この分科会では経済産業省が目指そうとする知識の再構築をしながら付加価値を生み出す人材育成のための「未来の教室、EdTech、STEAM教育」を切り口に、文部科学省は新時代の学校教育のあり方について、オンラインやAI等のICTを活用しつつ、個別最適化、協働的な学びをどのように実現しようとしているのかについて学びます。 

【内 容】

基調講演 パネルディスカッション 

【講 師】

基調講演Ⅰ:「未来の教育」を構想する

浅野 大介 氏(経済産業省商務・サービスグループ サービス政策課長(兼)教育産業室長) 

基調講演Ⅱ:教育DX時代の子どもたちの学び ~学校は何のためにあるのか~ 

合田 哲雄 氏(内閣府(科学技術・イノベーション推進事務局)審議官)

【パネリスト】

浅野 大介 氏

合田 哲雄 氏 

高木 慎一朗 氏(令和3年度石川県立金沢泉丘高等学校PTA会長・株式会社銭屋 代表取締役) 

【コーディネーター】

外村 仁 氏(元エバーノートジャパン会長) 

【司 会】

吉河 ゆかり(石川県立金沢泉丘高等学校PTA副会長) 

浅野 大介(あさの だいすけ) 氏

経済産業省商務・サービスグループ サービス政策課長(兼)教育産業室長 

2001年に経済産業省に入省。資源エネルギー・地域経済など様々な政策分野の業務を経て、2016年に教育産業室を立ち上げ。文部科学省との協業によって、初等中等教育においての1人1台端末環境の早期実現を進めるGIGAスクール構想の推進や、EdTech(エドテック)を活用した新しい学び方を実証する「未来の教室」プロジェクトを推進し、全国の学校で実証事例を展開している。 

合田 哲雄 氏 

内閣府(科学技術・イノベーション推進事務局)審議官 

70年生、倉敷育ち。92年文部省入省。福岡県教育庁高校教育課長、国立大学法人化の担当、08年学習指導要領改訂の担当、NSF(全米科学財団)フェロー、高等教育局企画官、研究振興局学術研究助成課長、初中局教育課程課長、内閣官房内閣参事官、初中局財務課長、科学技術・学術総括官等を経て21年7月から現職。上越教育大学、東北大学等の非常勤講師。
単著に『学習指導要領の読み方・活かし方』(教育開発研究所、19年)、共著に『学校の未来はここから始まる』(教育開発研究所、21年)、『メディアリテラシー: 吟味思考(クリティカルシンキング)を育む。』(時事通信出版局、21年)。論考に「アイディアとしての『Society5.0」と教育政策」(『教育制度学研究』第27号(20年))。
目黒区立の小中学校のPTA会長を6年間経験。

髙木 慎一朗(たかぎ しんいちろう) 氏

日本料理 銭屋 主人/株式会社銭屋 代表取締役/株式会社OPENSAUCE 取締役(CCO)

1970年生まれ。米国の高校に留学し帰国後、石川県立金沢泉丘高校を経て日本大学商学部へ進学。卒業後、株式会社京都吉兆へ入社。主人徳岡孝二氏に師事し、日本料理修業の後、銭屋二代目主人となる。
2008年にニューヨーク日本総領事公邸晩餐会で料理を担当したのをきっかけに、海外での活動の場を広げる。日本料理を世界に普及・発展させるべく、国内外でのデモンストレーションやイベント、子どもたちへの食育活動に参加。また、料理コンサルティング業務や講演、エッセイの執筆など幅広い活躍をしている。
2011年シンガポール「ワールド・グルメ・サミット」マスターシェフ受賞
2015年第6回農林水産省の料理人顕彰制度「料理マスターズ」受賞
2016年「ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版」において二つ星獲得
「ルレ・エ・シャトー」に加盟
米国The Japan Society of BostonよりDistinguished Professional and CulturalAchievement Award受賞
2017年農林水産省より「日本食普及の親善大使」に任命
2021年「ミシュランガイド北陸2021特別版」において二つ星を獲得


外村 仁(ほかむら ひとし) 氏

元エバーノートジャパン会長 

1963年熊本県生まれ。東京大学工学部卒業後、戦略コンサルティング会社ベイン&カンパニーで外資系および日系企業の経営コンサルティングに従事。1992年よりアップルコンピューターで市場開発やマーケティング本部長職などを歴任。1997年に同社を休職し、フランスのI NSEAD 、そしてスイス国際経営大学院(IMD)で MBA を取得。2000年、シリコンバレーにてストリーミング技術のベンチャーGeneric Mediaを共同創業。その後はFirst Compass Groupのジェネラルパートナーなどを務める傍ら、創業間もない企業数社のアドバイザーとなり、2010年よりEvernote Japan会長として、NTT DoCoMoや日経新聞との大型資本/業務提携を実現、同社をユニコーン企業に成長させる。 

現在、スクラムベンチャーズ、All Turtles、mmhmm等でアドバイザーを務める。2020年秋にFood Tech Studio – Bites!を創設し、日本の大手食メーカーと世界のスタートアップによるオープンイノベーションを推進中。SKS-Jの共同創設者とともに「フードテック革命」を日経BPより出版。全日本食学会会員、肉肉学会理事、総務省「異能ベーション」プログラムアドバイザー。