新時代の家庭教育
-今、伸ばすべき本当に必要な力-

【趣 旨】

家庭教育はすべての教育の原点として基本的な生活習慣や生活能力、自制心や自立心、豊かな情操、基本的倫理観や正義感、社会的マナーなどを育成する上で重要な役割を果たすものです。 

しかし、少子化や核家族化、地域におけるつながりの希薄化等、家庭をめぐる状況の変化の中で、人への思いやり、道徳心の涵養、感性の錬磨、主体性の育成、自己肯定感の高揚など、本来は主に家庭がその役割を担っていたものが、今日では学校に委ねられるようになり、その依存度はますます大きくなっています。一方で各家庭における教育はそれぞれの価値観やライフスタイルに基づいて多様性が増しており、また親の過保護や過干渉、多感な思春期の子育てへの自信の喪失、無責任な放任、そして急変する社会環境への不安等、様々な問題が生じていると指摘されています。 

この分科会では、高校生の親としてどのように我が子の成長と向き合い寄り添っていけばよいのかを今一度見つめ直し、これからの時代における家庭教育の在り方、学校教育との連携とそのためのPTAの役割について考える機会とします。 

【内 容】

講演・質疑応答 

【講 師】

講演Ⅰ:「教育に科学的根拠を」

中室 牧子 氏(慶應義塾大学総合政策学部教授/公益財団法人東京財団政策研究所 研究主幹)  

講演Ⅱ:「思春期の親だからできること」

高濱 正伸 氏(花まる学習会代表/NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長) 

【司 会】

荻野 直子 氏(元 石川県高等学校PTA連合会 副会長)

 

中室 牧子 氏

慶應義塾大学総合政策学部 教授 
デジタル庁 デジタルエデュケーション統括 
公益財団法人東京財団政策研究所 研究主幹 
慶應義塾大学卒業後、日本銀行等を経て現職。コロンビア大学にてMPA、Ph.D.取得。 
専門は教育経済学。国の規制改革推進会議等で有識者委員を務める。 

著書はビジネス書大賞2016準大賞を受賞し発行部数30万部を突破した「『学力』の経済学」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、 
週刊ダイヤモンド2017年ベスト経済学書第1位の『原因と結果』の経済学」 (共著、ダイヤモンド社)など。 

高濱 正伸 氏 

東京大学卒、同大学院修士課程修了。
NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会作問委員、日本棋院理事。
学生時代から予備校等で受験生を指導する中、学力の伸び悩み・人間関係での挫折と引きこもり傾向などの諸問題が、幼児期の環境と体験に基づいていると確信し、1993年、幼児~小学生を対象とした学習塾「花まる学習会」を設立。「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、思考力、作文・読書、野外体験を主軸にすえ、現在も現場に立ち続ける。2020年から無人島プロジェクトを開始。 

保護者や子ども、教員向けの講演を年間約130回開催し、これまでにのべ20万人以上が参加している。『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』『算数脳パズルなぞぺ~』シリーズ、『メシが食える大人になる!よのなかルールブック』など、著書多数。